劇団辞めてドイツ行く(7)犬がどこにでもいる――2024年9月6日
少しずつ生活が整理されてきた。反対方向にあるスーパー Lidl は少し安めだったし、醤油も置いてあった。これで調味料は大丈夫だ。油もオリーブオイルもバターもそろえた。次はにんにくでも買ってやろうか。
毎日歩いて行動範囲を広げている。さすがに都会ど真ん中という感じで、歩いていける範囲で何でもそろう。出歩くと、それにしても、ショッピングモール内でも犬を連れて歩く人が目につく。カフェにも家電量販店にも衣料品店にも連れて入って、犬のほうはみんな大人しくしている。吠えられたことはまだないな。犬に税金もかかるとか。
『帰ってきたヒトラー』では、序盤にヒトラーが小型犬を銃殺するシーンがある。この銃殺がSNSで暴露され、最初のピンチがやってきて、そのときに、別の登場人物が「ドイツで犬は殺しちゃだめだよ……」と嘆く。確かにこれだけ犬が生活に溶け込んだ社会で、犬を殺したらそりゃ炎上するな、と時間差で納得してしまった。ただ、映画でのヒトラーがそのことをわかっていなかったというのが少しひっかかる。かりにも一時的にではあれ、ドイツを掌握し、思うままにしたものが、ドイツ人の犬好きの文化をわかっていなかったとは考えにくい(この文化は昔からあるもののようだ)。まあ、すぐカッとなってしまう危険性と脆弱性を併せもつヒトラーという人物像を冒頭で示すためのものだと思えば、それなりに合点が行くのかもしれない。
今日を経て、土日休みにはいる。気候がやや過ごしやすくはなってきた。一息つけるかもしれない。明日の夜どうにかして何かを鑑賞しにいきたいのでいろいろ調べたが、スマホなしで二駅ほど行って駅からも15分ほど歩かないといけない。マクシム・ゴーリキー・シアターである。手書きで地図書いていくというアナログの手段しかないか。