劇団辞めてドイツ行く(24)パリにも行くぞ――2024年10月4日
FLIX BUS でベルリンからパリへ
パリへ向かうために夜行バス(FLIX BUS)に乗る。ベルリンからパリへ行くには、夜行バスのほかに飛行機や電車がある。飛行機はぱっと見割高だが数時間、電車だと乗り換えのタイミングによるが、半日かかる。バスだと同じように半日かかるが電車よりは安く済む。また電車でも時間帯によっては途中バスを乗り継ぐしかないこともある。
ヨーロッパの鉄道事情には疎いし、お金は安く済ませたいので、夜行バスを選択した。時間帯によっては片道60ユーロ代である。チケットを買った時は席が埋まっているようだったが、結局乗る時にはガラガラだった。追加の支払いで座席指定ができる。
ドイツに行ってさらにパリへ向かう。こんなまたとない機会をくれた友人には感謝しかない。いろいろなことを忘れるためにドイツに来ているのだが、結局グズグズしてしまっているので、ここでパーッと楽しむだけの時間を設けてもいいだろう。夢の中でまた夢を見るみたいな、映画『インセプション』的シチュエーションである。
FLIX BUS、遅れる
実はフランス語も、仏検三級持ちである。たぶんベルリンに来たときと同じように何も話せないだろうけれども、ゼロよりはマシであろう。念の為、ウォークマンとスマホにDLしておいたフランス語音声とテキストを復習する。
さて、夜行バスはどの国も同じなのかもしれないが、時間がそれなりに前後する。21時発だったが、20分ほど遅れた。掲示板には unbestimmt später(遅れ、時間不明)とだけ記されて具体的な遅れ時間の提示がなかった。ほかのバスが50分遅れとかになっているのを見て不安になった。
付け焼き刃のフランス語復習をしながら、ベンチでバスを待っていると、ロンドンからヨーロッパ旅行中だという老夫婦に声をかけられやや談笑した。言語野を英語にスイッチするのに時間がかかったが、なんとかなった。いつからベルリンにいるの?と聞かれて、ein Monat しか出てこず、one month と返すのに随分と時間がかかってしまった。「混乱してすいません、最近ドイツ語ばかりで」と云うと「but it works!」と言ってくれた。ややアクセントに訛りがあったように思う。彼はリタイア済みだが、過去に鉄道関係の仕事をしていて、OASISのマンチェスターは近いよと言っていたのでその方面だろうか。how long の発語が独特だったように感じた。同じバスに乗って偶然隣の席になり、ご婦人のほうがポテチくれた。
充電できるが、注意(タイプAしかなかった)
座席では充電ができるのだが、しくじった。タイプAの差し込み口しかない。ケーブル類を部屋に置いてきたことを深く後悔している。また、荷物を一人20キロまで預けられるのだが、空港みたいに詳しく重さをチェックされることはなかった。パリ??ときかれて、イエス!と言うとドカンと放り込まれた。
夜行バスだが、やや騒がしかったというか思いっきりスマホからイヤホンなしで音楽かけてるやつがいた(※)。また小生が乗り込んで席に着くより前にバスは発車した。シートベルトなんか誰もしてなかったかもしれない。そういえばベルリンの博物館には回転式のドアがまだあった。このタイプのドアは、日本では事故があったために姿を消して久しい。安全とか、社会の物理的設計で、ちまちました違いがあっていちいち立ち止まって考えてしまうのだが、もっと長くいればいずれ慣れてしまうのだろうか。そうだとしたら、この印象をなるべく詳細に記録しておくことにはそれなりの意味があるのかもしれない。
※あとで気がついたのだが、音楽をかけていたのは運転手だった。二人で運転する交代制で、休憩しているほうの運転手が最前列を占領していた。運転もかなり粗かった。夜中だったので景色はまったく楽しめなかった。夜行バスにしては寝れたので良しとしたい。一つ前のバス停で人がたくさん乗ってくるまではぜんぶで4、5人とガラガラだったので座席指定の意味はなかったかもしれない。