劇団辞めてドイツ行く(19)あれか、これか――2024年9月24日
あれか、これか / Entweder-Oder
明日テストなので、今日は配られた問題集を解いて質問があれば先生に質問したり、テストに(たぶん)近い形式の文章を書いて、クラスメイト同士で見せ合い、別の人が書いた文章を説明するという内容だった。
時間内に求められた長さを書くことはある程度できるようになっているのだが、文法での取りこぼしが多いのでそこを修正しなければならないし、文法の短答でもまだまだ抜けがある。話すのがぜんぜんできないので、文法と筆記でどうにか得点稼ぎしなければならないというのに、どれも覚束ない。B1クラスをもう一周しなければならなくなるだろう。試験の範囲はすべてなので、やれることはもうざっくり復習くらいしかない。「試験前」なんていつぶりだろうか。
英語でいうところの、not only A but B 「AだけでなくてBも」みたいなのが、ドイツ語にもあって、これは nicht nur A, sondern auch B という。やはりこの単位での構造は英語と同じである。weder A noch B は、 neither A nor B で「Aも、Bもない」になる。日本語で相関接続詞というらしい。そのなかに、entweder A oder B というのがある。それは「Aか、Bか」という意味なのだが、これはキルケゴールの著作のドイツ語のタイトルでもある。残念ながら、読んだことはない。キルケゴールの著作できちんと読んだ記憶があるのは『現代の批判』のみである。
無名性は現代では、普遍的に考えられているより以上に独特のいちじるしい意義をもっている、警句的な鋭い意義もっているといっていい。ひとは、無名で書くばかりか、署名までして無名で書くのである。それどころか、無名で語りさえする。(キルケゴール(桝田啓三郎訳)『現代の批判』岩波文庫、1981年、101頁)
なにかに使えるかも、どっかで引用できるかもと思って結局ぜんぜん使わなかった。サブカルが好むのは、キルケゴールならもうちょっと鬱屈とした思索の部分である。アニメ PSYCHO-PASSの1期で、『死に至る病』が出てきたのが印象に残る。同じエピソードではシェイクスピア『タイタス・アンドロニカス』も出てきたし、めちゃくちゃ引用たくさんあったな。はじめて視聴してから10年経つがまだ読めていないものがある。誰から出たアイデアだったんだろうな。槙島が退場したことで、その後引用祭りがほぼなくなったので、正直ホッとしている。劇場版のうちの一つの副題にもなった、菊池寛『恩讐の彼方に』に出会えたことに感謝している。
紙の本は、今読めない。データで置いているものはかなりあるのだが、それは確かに感覚が全然異なる。しかし、働いていないので読みたい欲が結構出てきているので、もうしばらくしたら一冊くらい手に取ってみようかな。とりあえずご飯食べよう。