劇団辞めてドイツ行く(17)先生変わった・毎晩夢を見る――2024年9月20日
先生変わった
先生が変わって、ぜんぜん聞き取れなくなった。いかに最初の先生がわかりやすく発語してくれていたのかを思い知った。何を問うているのかがまずわからぬ。
いくらやっても、学校から一歩外側のドイツ語がまったくわかるようにならない。当然、ほとんどの先生やスタッフは発音もわかりやすいし、英語も話してくれるから安心できる。ホテルで英語をそれなりに話せていたのは、こちらが情報において圧倒的に優位な立場にあり、かつ日本であるという状況が大きい。冷静に状況を考えて、落ち着いていれば、よほど困るようなことにはならない。しかし、今は逆にすごく弱い立場にいる。コミュニケーションができなければ、終わりである。
それに、語学学校を出たあとのことをまったく考えられていない。仕事も、住処もなんのアテもつけられていない。ドイツ語がわからないことを言い訳にして逃げているような節もある。わざわざベルリンまできて、結局机に向かってドイツ語ばかりやっていて、週に1度の観劇以外はスーパーへの買い出ししかできていない。正直、これはドイツ語が話せなくてもできることである。
とりあえず、大学にいけるようなレベルに到達しよう。働くためにきたわけではなく、学んで日本での創作に活かすために来たわけである。しかし、ドイツで演劇にかかわろうと思うなら大学にいかなければどうにもならないらしい。
語学学校に、日本語が話せる中国人が一人いて、立命館に通っていたらしく、京都の話に花を咲かせた。曰く「日本のラーメンは最高ですね」とのこと。いちおう、ポツダム広場に豚骨ラーメンが食べられる店があるが、そこは16ユーロ(2500円)もすると言うと、「それは月に1回行けるかどうかですね、、」と同意した。ドイツ法学を学びたいらしい。ヘーゲルはドイツ語で読んだと言っていて、ぜんぜん違うステージにおる。
ドイツ語辞典をインストールした電子辞書が必携なのだが、今日電池がなくなり、持っていけなかったせいでかなり苦戦した。わざわざ充電池にしたのに肝心の充電するやつを忘れてしまい、スーパーに買いに行く羽目になった。電池は世界共通である。あとは相性の問題だが、大丈夫だろうか。電源はついたが、この先壊れずにもってくれるだろうか。補助輪なしでは先生の質問の意味を理解するのもままならない。アンペアとかボルトとかまで頭を回す余裕はない。
電子辞書は、とにかくスマホアプリよりも圧倒的に小回りが効くというか、CASIOさんまじでありがとう。卒論を書く過程で、日経新聞の日経テレコンで「電子辞書」というワードで検索をかけたことがある。CASIO一強のようである。医学専門の辞書やマイナー言語にまで対応している。ただ日本のメーカーらしく、一生使わなさそうな機能も多い。いろんなものを積んで、どーだすげーだろー!というのが日本のメーカーの陥りがちなオタク的発想である。
そういえば、ドイツの機械は何でも古びている。駅の券売機なんか使いにくい。アプリ使わないの?と言われたのだが、それをDLするほど今のところ頻繁に使わないので、券売機で買っているのだが、とにかく操作性が悪く、まるで90年代〜00年代のような画面である。新しいものをガンガン買わせようとする強引な営業マンが少ないのだろうか。
毎晩夢を見る
毎晩、似た夢を見る。日本にいて、すき家とかラーメン屋を探す夢である。基本自炊していて、最初の数日以来、一切外食していない。パスタとパンとシリアル、ゆで卵と、肉と野菜の炒め物で乗り切ってきた。屋台が出ているのを見かけて、ドイツ名物カリーヴルストの香りに当てられ、に手が伸びそうになったが、安いわけではないので我慢し、急いで帰る。
金曜日になった。何か鑑賞するものを決めねばならない。来週試験らしいので、それが終わる来週末にフランスに行こう。ちゃんと計画を立てねば、えらいことになりそうなので、今週末に計画を立てる。残高が気になるからお金の計算も必要である。すべてを誰かに任せてどこかで1年くらいダラダラしたい。