劇団辞めてドイツ行く(3)ベルリン着いた――2024年9月2日

シンガポール チャンギ空港

 ホテルから関空まで1時間、関空からシンガポールまで6時間、シンガポールからアテネまで16時間、アテネからベルリンまで3時間、ベルリンから語学学校まで1時間、待ち時間が合計4時間と、合計約30時間の移動は、飛行機慣れも海外旅行慣れもしていない自分にとってはかなり過酷だった。というか無謀だった。8月31日の日本は暑い。しかし飛行機内は寒い。シンガポールは暑い。また機内は寒い。アテネは暑い。ベルリンは寒いと思っていたら暑かった。これでまず、体調を崩してしまった。

シンガポール・チャンギ国際空港(SIN)(スクートの拠点空港)

ギリシャ アテネ国際空港

 シンガポールでの乗り継ぎは、2時間半の間隔があったので余裕をもって待機できたのだが、アテネで一度降りる必要があることを知り、いちど降りてみるが、そのままもう一度飛行機に乗る人がどこに行けばいいのかわからなかった。なので、目が合った係りの女性Aに聞くと、「来た道を戻って右へ」と言われた。その先にいた警察官の女性Bに聞くと、また「来た道を戻って左へ」と言われた。また戻ると、女性Aは同じことを言う。途中で出会った別のスタッフの女性Cは女性Bと同じことを言う。女性Aに三回目の確認をすると、follow me と言って女性Bのところへ行って、「彼はこの飛行機に乗るのでここを通らないといけないよ」的なことを言って、そこからたぶんギリシャ語で女性A、B、Cのディスカッションが始まった。まさに It`s Greek to meである。

 それから荷物の検査を受けていると、「あとちょっとであんたの飛行機出るでww」と言われ、アテネ空港を疾走した。なんとか間に合ったが(というかぜんぜん余裕だった)、荷物の検査の最中が、メインのスマホを最後に見たときとなった。もしあのとき私がスマホを飛行機に持ち込んでいれば、ベルリンの空港で受け取ることができるかもしれない。アテネの荷物検査に忘れていれば、取り戻せる望みは薄い。帰りの便が同じルートなので運がよければそのときに回収できる可能性もある。ひとまず、simカードを再発行して、実家に届けておくべきかもしれない。機種も痛いが、帰国後も継続して使うつもりの番号なのでどうにか傷を浅く済ませたい。明日空港に戻る予定である。

※あとでわかったこと

降りてすぐに、「ベルリンに向かう人」が行くべき方向と逆のほうに出て行ってしまっていたようです。搭乗口に直接行く必要があります。乗り換えなし、つまり同じ飛行機でそのままベルリンに行く人も、いったん降りなければならないとCAさんに言われました。同じルートの方はお気をつけください。写真の喫煙所がある場所に行った時点でそもそも間違いです。搭乗口の周りでは喫煙所は見つけられませんでした。帰りも同じルートだったため、判明しました。

ドイツ ベルリン・ブランデンブルク国際空港

時差ぼけというか、微熱があるのとお腹の調子がすこぶる悪い。たぶんベルリンで硬水の水を買ってイッキに飲んでしまったのが大きいだろう。空港到着時点でかなり体力を持っていかれ、さらには入国審査でやや揉めて(疲れていて英語もドイツ語も覚束なかったが、聞かれたことにはちゃんと答えてるし、一つも嘘をついていないし、俺は絶対に悪くない)、あげく学校に到着したら誰も待っていなかった。1時間くらい立往生してようやくスタッフが出てきて部屋まで案内してもらった。その日は、何もしないでとりあえず寝た。

ベルリン・ブランデンブルク国際空港

 今日で二日目である。明日授業が終わったら空港へ戻ってスマートフォンが届いていないか確認し、なければsimカードを購入する。それまではしばらく地図を目で見て覚えられる範囲の場所にしかいけない。サブスマホがあってよかった。あといくらなんでも服が足りない(冬物2着夏物1着しかない)。とりあえず空港へ行った帰りに服やそのほか生活物資を調達しなければならない。薬局(dm)とスーパー(REWE)の位置は把握した。徒歩でいける距離である。授業はすでに始まっている。B.1のクラスに割り当てられた。実際にはA.2くらいのはずなのだが、ややしんどいくらいが自分にはちょうどいい。先生が剽軽な感じで楽しめそうである。少しずつ体調は回復しつつあるので、5日くらいで元気になりたい。はじめがキツイというのはほとんどの人が言っていたのでなんとか乗り越えていこう。