劇団辞めてドイツ行く(47)硬水対策・化粧品類(男性・乾燥肌・敏感肌の場合)――2025年3月7日

 硬水にものすごく苦しめられた。お腹はユルくなるし、肌はガサガサになる。お腹がユルくなるという話は人に簡単に相談するのが憚られる内容だし、美容関係についてはドイツでも男性向けのよりも女性向けの情報の方が多く検索にヒットする。というか日本人男性向けの情報は皆無であった。そんなに気にしなくてもさあ、という次元をはるかに超えてフケやら乾燥やらで、人前に出るのが嫌になる状態で、お腹がユルいのも、外出をいちいち不安にさせた。飲み水にかんしても、肌トラブルに関しても、人によって問題の大きさが変わる。体質の問題である。個人的には、大打撃を受けたので、今後似たような問題を抱えた人のために記録しておきたい。なお、関西は、軟水の日本のなかでも、とても水が軟らかいらしい。そんな水で30年育った関西人の男性は硬水に対して、最弱である。関西育ちの男性で、ドイツなど硬水の国へ行く人は対策が必須かもしれない。短期の滞在なら問題がない場合もある。とにかく、悩みにぶち当たったらここの記録を参照してほしい。、宿泊したホテルがいいホテルなら、水が浄水されている場合もある(友人宅のシャワーは浄水が出てくるようである)。

 まず、飲み水は、ボルビックを買い込むことではじめは乗り切ったが、もちろん安くないし、2リットルの水を6本セットをスーパーで週に1回くらいのペースで買いに行って運ぶのはなかなか面倒くさい。そして、友人に「BRITA」という浄水器の存在を教えてもらった。BRITAはドイツのメーカーなので当然ドイツでも買えるのだが、日本のアマゾンのほうがドイツ版アマゾンよりも500円くらい安かった。やや場所をとるが、BRITAを購入してスーツケースに詰める。カートリッジはいったん三つ買っておく(三か月分くらいか)。いつも水筒を持ち運ぶ。ION8 というメーカーの水筒で350mlと手頃なサイズのものがあったので重宝している(tk-maxxで買った)。

 次に、化粧品類について。はじめはテキトーにdmで買ったふつうのシャンプーと、日本から持ち込んだボディソープを使用していたが、これがコンボで悪かった。ふつうのシャンプーは身体に合わないし、これはあとで知ったのだが、日本用のボディソープも、軟水で流される前提で製造されているために、肌がガサガサになりやすい。異国にいるというストレスや慣れの問題かと思っていたが、一時帰国途中にシンガポールのチャンギ空港でシャワーを浴びるとすべて解消された。シンガポールは軟水の国である。

 そこで、Garnier というメーカー(フランス発らしい)のAnti-Schuppen と書かれたシャンプーを使い始めた。硬水が理由で、風呂スキップカルチャーがあるらしいのだが、個人的にはふつうにシャワーは毎日浴びたい。しかし浴びるとガサガサとフケに見舞われる。永遠に快適な身体を得ることができない。今年、シャワーを浴びる頻度を増やしているが、このシャンプーのおかげで髪のトラブルは無くなった。身体のほうは、NIVEAのシャワージェル(泡立ちがよくないが、肌にやさしいもの)を使用して、こちらもかなり改善された。

 髪についた水は、タオルでしっかりふき取ったうえで、即座にドライヤーしつつ、豚毛のヘアブラシで整える。身体もちゃんと拭く。できれば保湿クリームでも塗りたくったほうがいいのかもしれないが、そこまでの必要性は今ところ感じていない。顔面のほうには、こちらもNIVEAの After Shave Balsam を入浴後と朝につける。もちろん、そもそもドイツ自体乾燥がやばいので、時間が経過するとまだふつうに肌がやられるが、そこまで頻繁にダメージを受けているわけでもないので助かる。

 髭は、もともと結構濃いので、日本にいた頃からいろいろ試していた。ホテル勤務だったので、髭の生える速さからすると、毎日全剃りしなければならない。敏感肌にはキツイ刺激である。今は自分の気分に合わせて毎日剃らなくてもいいので、まだ楽である。そしてちょっと高級感のある、ミューレ Mühle というドイツのメーカーの両刃カミソリを使っていたので、こちらも入手には難儀しないだろう(まだ替え刃が余ってるので、調べてないが、買えるよね?)。ものすごく剃れるのだが、肌を傷つけずに剃るのが難しく1年経ってもまだふつうにミスる。髭剃りは入浴後にして、温めたタオルを顔につけてから、というのが完璧なのだが、さすがに今そこまでする余裕はないし、今のところ喫緊の課題でもない。それにたぶんだが、刃の交換もそんなに多くないのである程度安くついている。髭剃り用のシェーブは日本と同じジレット・フュージョンがあるので、ここは問題ない。少し前に、髭の「軟化剤」を理容師の人に教えてもらって重宝していたが、ドイツにもあるのだろうか。ちょっと探してみたい。

 いずれにしても、いろいろ揃って身体をある程度思うような状態に保てているのは、結構大きい。硬水でぶちあたる壁にすべてぶちあたってしまったことは、徹底的にパフォーマンスに影響した。

飲み水 → Volvic もしくは BRITA
髪 → Garnier の Anti-Schuppen シャンプー
体 → NIVEA の Shower Gel
顔 → NIVEA の After Shave Balsam

 それぞれ海外住みの日本人の先輩に聞いても、ぜんぶに大打撃を受けた人はあまりいなかったし、長い人には「慣れ」があったりする。何よりも肌質とか体質の問題なので、誰もが同じように問題にぶちあたるとは限らない。別に日本でも何もしないでいいわけではない。敏感肌なのに髭が濃く、日本の接客業だったので毎日全剃りしなければならないなかで、ケアしておかないと見栄えも気分も悪くなった。パチンコ屋でもホテルでも、髪はちゃんとしておかないといけないので、自然な状態で放置するわけにもいかなかった。そこまで美容に強い関心があるわけではない。しかし、ある程度整えておかないと落ち着かない身体になってしまった。人にどう見えるかよりも、自分がスッキリするかどうか、というのは、日々の生活において重大である。いろいろと解消されてよかった。