劇団辞めてドイツ行く(40)スーパーの姿 ――2024年11月21日

スーパーの姿 (近所のリドルにセルフレジ)

 授業後、タバコを吸いに外に出ると、先生が英語で

「ポツダム広場で何かあったみたいやわ。『みんな出て!』って言われるから、娘へのクリスマスプレゼント買えんかってん…」

「…テロ…ですか?」

「わからへんけど、とりあえず今は行かんほうがええと思うで」

 確かに、ややポツダム広場方面から人がぞろぞろ歩いてきていた。何があったか、結局わからなかったが、大きな騒動ではなかった模様である。

 気になってとりあえず、 taggesschau のHPを観ていると、緊急ニュースが入ってきた。”Haftbefehl gegen Netanyahu und Hamas-Führer”(ネタニヤフとハマス指導者に対する逮捕状)との見出し。ん、両方…ふむ? 国際刑事裁判所(ICC)が両方に逮捕状を発行したとのこと。そのあとすぐ、ロシアがウクライナに向けてICBMを発射したというニュースも流れてきた。ルームメイトの二人ともこれについて話した。世界地図を示しながら、自分の復路ベルリン→ギリシャ→シンガポール→大阪のルートを説明し、「大丈夫なのか」と言われ、「願うしかないよね」と返した。

 ルームメイトの一人は、ベラルーシから来ていて、ふだんはテレグラムでを使っているらしい。テレグラムは日本ではやや危ないという印象だよ、と話すと、でもテレグラムは警察に情報提供しなから安全だよ、と言われた。いやだから危険なのでは?と思ったが、ああ、そういうことね!となる。それとこれとは関係がないが、Wir vertrauen der Polizei と言って、vertrauen (=信用する) という単語を教えた(vertrauen が 3格(与格)をとることは今知った)。

 ちょっとした仕事を終えたあと、今日はこんなのんきな文を書いていた。


 近所のリドルにセルフレジが設置。キャッシュレス決済のみ対応。REWEには9月時点ですでにあったし、たぶん、日本と同じで随時的に設置されるのだろう。会計が楽チンでいい。タバコは店員のいるで買う必要があるようだ(別のタイプもあるみたいだが、今回は未調査)。ドイツ人はわりと現金好きと聞いていて、確かにレジでジャラジャラやってるやつによく待たされる。

 そういえば京都の最寄りのスーパーでは、最速でレジを打つ女性がフレスコから西友に引き抜かれ、商店街に激震が走ったらしい。とても愛想のいい店員だった。レジ打ちが速い人を引き抜くとかはじめて聞いた。レジが混み合うと、日本なら「後ろの方どうぞ〜」と言って颯爽とシゴデキ感あるアルバイターが登場するのだが、ドイツではそんな謎にモチベーションの高い非熟練労働者にお目にかかることは難しい。いい人もいっぱいいるけど。なお、最寄りのリドルだとKASSE BITTE(レジお願いします) と録音アナウンスが流れるので、列をつねに放置しているわけではない。日本だと、誰が考えたのか知らんが、わかりきってても隠語めいたものが放送される。近所だった西友は「1階レジにてお客様がお待ちです」だったかな。もうちょっと暗号めいたアナウンス文のスーパーもあったと思う。「お花摘みに行ってきます」とか「3番お願いします」的な。

 いくつかのスーパーはワンウェイ、つまり入り口と出口が別々になっている。レジを通らないと出られない仕組みである。これで万引きを防ぐことができるということなのだろうけれども、例えば財布を家に忘れたり、入ってからとくに買い物しなくていいことに気がついたりするとめんどくさい。困ったらとりあえずパンかタバコを買う。

 なお、セルフレジの場合はレシートのバーコードをピッとかざすと扉が開く仕組みになっている。レシートは捨ててはならない。今なら、説明してくれる人が傍にいるので、操作方法がわからなければ教えてくれる。

 そういえば、近所のリドルとREWEも、客が手に取ったものを元の場所ではなく、自分に近い場所に置いていったりする。そのためスナックのコーナーに調味料があるみたいなことが頻発している。ちゃんと元のところに戻しなはれや、と思う。


 

 こういう日常をボヤボヤ過ごしていられるのも、平和あってこそのものである。というか、帰れるよな?

 また、「名前のない星戯曲賞」の審査で、自分に任された分を読み終えた。朝、ドイツ語の授業を3時間受けたあとに、日本語の戯曲を4、5本読んで(なんだかんだ最低5時間はかかる)、またそのあとドイツ語の課題をやる(これにまた2,3時間くらい)というのがなかなかに脳への負担が高かった。

 途中でちょくちょくルームメイトがドイツ語の質問をしてくる。ぼく家庭教師ちゃうで。また、追い打ちをかけるようにもう一人のルームメイトが英語で話しかけてくる。そして、推しの子最終回だった。念のためここではネタバレしない。とりあえず、単行本、全巻揃えるかもしれない。