劇団辞めてドイツ行く(28)SIMカードをやっと手に入れる、そして――2024年10月15日

SIMカードをやっと手に入れる、そして

 ようやくドイツでのSIMカードと電話番号の確保に乗り出した。ドイツの公共交通機関にはフリーWiFiがあるので、ある程度はなんとなかる。しかし、結局「どこかに行く」ときには駅から5分以上は歩かねばならない。日本人はドイツ人よりも、pünktlich な sein でなければならないため、通信環境の確保は重要である。また、仕事をするのなら、闇の仕事でもない限り、給与を振り込んでもらうための銀行口座がほぼ必要である。そして銀行口座のためには、電話番号が必要になる。働く予定がなく、カメラアイの持ち主で地図を暗記できるというのなら、不要な手続きである。

 さて、電話番号を持つためにはSIMカードが必要で、それ自体はスーパーで気軽に購入できるのだが、これを「使える状態にする」ために、アクティベート(有効化)と本人確認という手続きが必要になる。

アテネで携帯を紛失し、帰ってくるまでに2週間かかった。その間、SIMなしサブスマホで乗り切った。2週間経ってスマホが返ってきたのでそこから2週間ahamoで乗り切り、フランス行きに際してhoalfyのeSIMでつないで、今に至る。そしてようやく行動範囲が広がってきて、SIMカードの必要に迫られたというわけである。

 わざわざ家電量販店にまで足を運ぶと、ベルリンとはいえ半日潰れるので効率がよくない。そこで、近所にあるスーパーREWEのSIMカード ja!mobil を購入した。アクティベートはすぐできたが、しかし、その次の本人確認で躓いてしまった。

 ja! mobil を使用するには、本人認証が必要である。このときに、外国人の場合は、パスポートを使い、ビデオチャットで本人確認するか、郵便局で手続きするかの二択になる。

 8時から22時まで対応しているという、ビデオチャットを試してみたが、ドイツ語で4回、も英語で1回やって、まったく意思疎通が取れず断念した。英語が通じるスタッフは常駐しているわけではない。1回目は英語OKのスタッフがいて、あと少しのところまで進んだのだが、本籍地の住所を入力したあとに、チャットを閉じて下さいという指示に従ったらすべてがキャンセルされてしまった。その後ドイツ語でなんとか進もうとしたが、すべてダメだった。ネットで出回っている記事には、簡単ですよと書いてあるが嘘である。

 1回目は、光が当たらないように写真を撮らねばならないとか、写真(スクショ)をとるときには机の上に置き、また指でパスポートを押さえてはならないとか、左右上下に動かすなど、いろいろな指示があって、はじめにすべてクリアしたのだが、チャットを閉じてくださいと言われたので閉じるボタン(と思われる部分)を押したらすべてキャンセルされてしまって、また一から別のスタッフとやり直さねばならなくなった。それ以降、英語対応可能なスタッフは出てこず、しかし一度すべてクリアしたのでドイツ語でもいけると思ってドイツ語のみ対応可能なスタッフでやってみようとした。ところが、はじめはいけても後からNein を連発された。気がつけば5時間経っていた。ドイツ語か、英語が話せる人が友達にいれば、このとき横で通訳してもらうこともできるが、そんな友達はいない。

 仕方がないので、今日の昼に郵便局へ行き、手続きをすることにした。一瞬で終わった。パスポートと、アンメルドゥングの書類、QRコードを出して即終了だった。なんだったんだ、あの5時間。

 とりあえず、これでドイツでの電話番号を手に入れ、WIFI環境外でも通信できるようになったわけなのだが、これ、どういう仕組みなのだろうか。スーパーなどに置いてあるSIMカードごとに電話番号が割り当てられているのなら、電話番号、すぐなくなりやしないか。仕組みが気になるところである。